愛知県名物ガールの名古屋嬢

花嫁修業

名古屋嬢は働いてはいけません、職業は家事手伝いです。

なにかとお金のかかりそうな名古屋嬢ですが、市内在住の純血種は一切の労働を 禁止されており家事手伝い以外の職歴があっては失格になります。 どこかに就職した時点で脱落したとみなされ、どんだけ美しい巻き髪をしていても ただのお嬢様に成り下がってしまいます。 フリーターや水商売なんてもってのほかで、美容院代も自分で稼いではなりません。 バッグが欲しかったらママのお下がり(ブランド品)を譲り受けるかママと一緒 にデパートに買いに行くのが正解で、自分で稼いだお金で新品のバッグを買うのは 大間違いと、厳しいような厳しくないような掟があります。 巻き髪や衣装代など維持費はかかりますが、その費用を自分で負担するために就職 した時点で名古屋嬢の資格は永久に失われるのです。 就職先は良家に嫁ぐことが目標で、それ以前にはバイトすらしません。 そんな時間があったら花嫁修業をして結婚に備えるのが正しいルートで、お金が 欲しかったら親にもらえばいい、それが家庭内でも明確に定められている基本事項 なので娘も幼い頃から働こうという考えを持ち合わせていないのです。 コンビニのバイトの面接を受けるくらいなら礼儀作法を覚えるために茶道や華道の 習い事をしたほうがいい、今はマダムで昔は名古屋嬢だった母親からそう教育 されてきたので、それが良いことか悪いことかは別としてなんの疑いも無く親の 言いつけを守って従っているのです。 会社勤めはしないで家事手伝いをしながら、新たな名古屋嬢を生み出すべくその 父親となるお金持ちの花婿探しをするのです。 自分の母親がそうだったように娘も当然名古屋嬢として育てるのが夢ですので、 経済力のある男性でなければ花婿候補にはなりません。 ただ現時点ではお金持ち、では候補にはなれず、安定した収入が見込めないと彼女 の目には微妙な存在に映ってしまい、婿候補としては認めてもらえません。 起業してうまくいったばかりの男性ではこの先どう転ぶかわからないので、今は 良くても先を見越すと安心して嫁ぐことはできないのです。 やがて生まれてくる娘を立派な名古屋嬢として育てるには不安が残るので、ただの お友達以上には発展しないでしょう。 結婚相手に求められるのは家柄の良さ、安定した収入が定番で、将来自分が専業主婦 になって娘と一緒にデパートにブランド品を買いに行くことが約束されたも同然の 相手でなければ、第一選考で落とされることになります。 つまり自分の代が良いだけではダメで、次の世代の名古屋嬢を育てる環境を提供 してくれる相手を探すことが最終目標になるのです。 なかなか厳しい条件ですが、それだけ限られた一部の女性しか本物の名古屋嬢には なれないことがおわかりになったでしょうか。 名古屋嬢の一生を簡単に説明すると、まずは裕福な家庭に生まれてなんの不自由 もなくみんなに可愛がられて育っていきます。 お嬢様学校と呼ばれる私立の教育機関には幼稚園から大学まで通います。 国立大学へ進学するケースはあっても市立中学校へ入学することはないでしょう。 大学に在籍中あたりから名古屋巻きを覚えて、それを基本のヘアスタイルにして ファッションスタイルを定着させます。 大学を卒業したら就職はしないで家事手伝い・花嫁修業に精を出しますが、あまり 必死にはやらなくてもなんとかなっていそうです。 習い事をしたり作法を身に付けつつ結婚相手の出現を待ち、やがていい人がいたら 一緒に結婚式場を探す流れになります。 お嬢様なので親や親類の紹介やお見合いが介入することもあるでしょう。 挙式後はもちろん専業主婦で、女の子が生まれるのを辛抱強く待ちます。 男の子が生まれてもちゃんと育てますが一番叶えたい望みは自分の歩んできた道を 同じように進む女の子を育て上げることなので、生まれるまでは頑張ります。 このようにして名古屋嬢は次世代に受け継がれていくのです。