愛知県名物ガールの名古屋嬢

名古屋巻き

名古屋嬢の定義でヘアースタイルはこれのみと定められています。

豊田市や浜松市、遠く離れた東京都でも同じヘアスタイルを見かけますが、名古屋嬢 の髪形はもれなく名古屋巻きと呼ばれるゆるふわなものです。 ボーイッシュなショートヘアや黒髪ロングでは違うタイプのお嬢様になれても、 えびふりゃーで有名な名古屋市が育む純正の名古屋嬢にはなれません。 自分に似合うかどうかは一切関係なく、力士が髷を結うように職業によって決定 されることなので逆らうことは許されません。 髷が結えなければ力士にはなれないのと同じで、この巻き髪を維持していなければ 他の要素が合格ラインを超えていてもただのお嬢様でしかないのです。 どんな髪形かは流行に敏感な20代の女性なら知っているでしょうが、20代の女性 が好きな30代~40代の男性も知っていそうで、愛知県に住んでいるなら50代 でも目にしたり耳にしたこともあるでしょう。 どんな手順で制作するか、最初に美しい髪の毛にストレートパーマをかけます。 やはりお嬢様と呼ばれる以上基本は長めのストレートなのです。 そこにレイヤーカットをして長さをいろいろと調整しながら変化させます。 ほんの軽くが重要であまりやりすぎると素敵ヘアーが根底から崩れてしまうので、 最新の注意が必要な一流美容師に任せたい仕事です。 次に大き目のカーラーで1回転半だけウェーブをかけます。 これが緩やかなヘアスタイルの肝になる工程で、ウェーブの仕上がりがお嬢様度を かなり左右することになるでしょう。 男性の視線を釘付けにするのもこのウェーブです。 見事な巻き具合になったらスプレーを噴出させて固定させます。 ダイエースプレーのような強力なハードスプレーでなくてもいいですが、デパート の洋服売り場を2時間歩き回っている間に崩れてしまわないようしっかりとセット しなければならず、だいたい2回セットすれば1本を使い切るくらいの量を使用 することになるのが標準的な噴出量でしょう。 ぺったりとならぬようふわふわ感を出し、あまり強烈に固定させているようには 見えないけど絶対に崩れない、そんなゴージャスさが求められるのです。 ちなみに髪の毛のカラーは特に定められていませんが、黒髪から脱色しての金色の 間である人が大半のようで、ブルーやグリーン、パープルに染めている名古屋巻き はあまりいないのではないでしょうか。 お嬢様向けの髪形ですしキテレツな色にされることは少なそうです。 ちなみにこのヘアスタイルのネーミングですが、考案者は愛知県出身らしいですが 東京で美容師をしていらっしゃるTさんで、故郷を思って名付けたとか幼馴染に 似合いそうだからとかいう理由でこの名称になったのではないそうです。 ナチュラル・ゴージャス・やわらかの1文字目を取り出してナゴや、そこから 名古屋巻きと命名したとの話で、元々は出身地に関係なく誰でも使用可能な髪形 として産み出されたようです。 発祥地は名古屋市といえなくもありませんが、他の地域のお嬢様はやめておけという 意味でのネーミングではないので安心して神戸のお嬢さんや栃木のお嬢さん、福岡 のお嬢さんもこの名古屋巻きを愛用しているようです。 カジュアルな服装にも似合いますしお正月に着物を着ても似合い、またお盆に浴衣 を着ても素晴らしくお似合いなので一年中どんな催しにも対応できる髪形ですが、 維持するのは簡単ではないようです。 毎日美容院でセットすることが現実的な本物のお嬢様ならいざしらず、普通のお嬢様 は自宅で鏡台の前に座ってセットもするでしょう。 緩やかなウェーブを毎日作ってセットしなければこのヘアスタイルは維持できません。 男性も喜ぶ名古屋巻きは保つのもけっこう大変な髪形なので、やはり一般女性には ハードルが高いという意見も正しいのかもしれませんね。