名古屋嬢とブランド品
さりげなくブランド品を身につけるのが名古屋嬢です。
由緒正しいお嬢様の名古屋嬢は洋服やアクセサリーは全てブランド品で固めており、 そのアイテムは親子代々引き継がれていきます。 ただし一目でわかるようなゴテゴテしたブランドを好むことはせず、気付かれない ようにさりげなく身に付けるのが正しいようです。 見る人が見れば分かるけど派手にブランド名が入っていないようなアイテムが 名古屋嬢のマストアイテムなのです。 その理由は「私はお金持ちだからブランド品しか持っていないのよ、使わないのよ」 と周囲にアピールするのが目的だからではなく、親子で長く使える良い品を選んだら それがブランド品だった、となったからで、自慢したがりなにわか成金とはまるで 思考回路が違うことが伺えます。 決してブランド名に踊らされて高価な品を買い漁っているわけではないのです。 「あの子って高そうなブランド品をいっぱい持ってるよね」と噂されて喜ぶような レベルではありませんので、キャバクラで働く派手な容姿の女性とは違うステージ に立っていると考えるしかありません。 普通の人なら好きなブランド品を集めて身につけると嬉しい気分になり、心も 軽やかになって表情も緩み誰かに見せびらかしたくなるでしょう。 自慢したいとかそんなにいやらしい気持ちはなくても、それが一般人の取る行動で みせびらかされた人は素直に「いいね！」と祝福してあげるのも礼儀です。 でも名古屋嬢はつま先から指先までブランド品で固めていてもそれを誰かに自慢 することはありませんし、むしろばれないように努めます。 なのであまり流通していなくて気付かれにくい限定品や、ブランドのロゴが一切 入ってない地味なアイテムを好むのです。 高価なことを悟らせない、本物のお嬢様はこういうものなのです。 当然友人と喫茶店でおしゃべりをする際も、「見て見て、この緑色のバッグいくら したと思う？」なんて会話をすることはありません。 値段やブランド名に興味を持っているミーハーなギャルとは違い、長く使用できる 良品を探した結果がそのブランド品になったのです。 そして長く使えるから母親から娘へと受け継がれていくのです。 洋服にしてもアクセ類にしても派手すぎるデザインのものは流行り廃りがあり、 何年かしたら外を出歩けなくなったり持ち歩くのが憚られるようにもなりますが、 そんなデザインとは無縁の名古屋嬢は親子代々いつまでも使えるアイテムを選ぶ 能力がいつの間にか選択眼に宿っているのでしょう。 良い商品ならきっとノーブランドでも躊躇せず使いますし、そのことで気後れする こともありませんし、性能を優先させて選ぶのが名古屋嬢です。 これはコスメにも言えますが、自分が使いやすいと気に入った物があれば例え安物 の無名メーカーの化粧品でも気にせずに使います。 自慢できるような高級品しか使わない、人に話せばうらやましがられるような一流 メーカーのコスメしか肌に合わないから、なんて気取った考えなく、自分が使って どうだったかで判断するようです。 ブランド品が大好きと思われている節もありますが洋服もアクセサリーも化粧品も、 金額の問題で選ぶ選ばないを決定することはほとんどありません。 納得できる商品を探した結果みんなが欲しがるブランドのワンピースを購入する ことになったり、どこにでも売っていそうな安い化粧水を愛用することになったり、 贅沢な人種かと思いきや意外と物持ちする堅実さも持ち合わせているのが名古屋嬢です。 名古屋市の栄にはある有名ブランドの直営店があるのですが、そこでは他所で手に 入らないような希少な商品も入荷されるようでお嬢様とその母親に人気のスポット になっています。 きっとあまり目立たないけど質の高い商品が多く販売されているのでしょう。